会計の客観性と信頼性の確保について考える②

会計は人の手によって作られるため、その処理に誤りがあったり、故意に事実とは異なる処理がされることがあります。
しかし、会計の重要な役割として外部とのコミュニケーション機能があり、処理の誤りや真実ではない処理がなされた場合には外部関係者が誤った判断を行ってしまう恐れがあります。
会計の作成過程における仕組みについては前回の記事の通りですが、今回は作成された会計に対してどのようにその客観性と信頼性が付与されているか、会計のチェック制度について考えます。

日本国内においては公認会計士による会計のチェック(会計監査)が必要な会社とそうではない会社が存在します。
大半は後者の会社であり、前者は大規模な会社や上場会社などが該当します。

会計監査は、独立した第三者としての立場である公認会計士が対象会社の会計の結果である財務諸表について、会計基準に基づいて適正に作成されているかをチェックする制度です。チェックの結果については監査報告書という形で会計に添付されることになります。
これにより対象会社の会計に一定の客観性と信頼性が付与されることになると考えます。
しかし、会計監査が必要な会社は少なく、多くの会社は会計監査を受けていません。

それでは、その他多くの会社についてはどのようなチェック制度があるのでしょうか。
一つは顧問会計事務所(税理士)によるチェックがあります。会計事務所によるチェックがなされていることは対外的には法人税(所得税)申告書の税理士署名欄への署名により表されます。(当該署名は代理申告を行っていることを表していますが、その過程において会計のチェックが行われています。)
もう一つは税務署による税務調査です。税務調査は毎年行われるものではありませんが、行われた際には過去にも遡って調査れさます。
また法人税(所得税)申告書は会計(決算書)を添付して提出されますので、これにより会計は税務署という公的機関に提出されたものとなり、外部関係者から見た際に一定の客観性と信頼性が付与されたもののように見えることになります。
しかし、これらはいずれも税務的な処理が正しくされていることが主な視点となっているため、必ずしも会社の財政状態などを適正に表しているかをチェックしているとは限りません。

次回からは会計により作成される各種書類とのその役割について考えていきたいと思います。