会計の客観性と信頼性の確保について考える①

前回は会計にはいくつかの重要な機能があることを説明しました。
最も大切な機能は外部関係者とのコミュニケーションであると考えます。この機能が有効とするためには会計に客観性や信頼性が求められます。
会計はどのように、客観性や信頼性を確保しているのでしょうか。

会計はお金の動きを記録していきますが、この記録を行う際に原則として「複式簿記」という方法が用いられます。
複式簿記とは取引を以下のように記録していく方法を言います。

例)100円の商品を現金で売り上げた。

現金 100円 / 売上高 100円

上記のような記録を「仕訳」といい、左側を「借方」、右側を「貸方」といいます。
この例のように複式簿記の仕訳では常に借方と貸方(の合計金額)は同じ金額になるように記録され、以下のように借方と貸方(の合計金額)が異なることは許されません。

現金 100円 / 売上高 150円  ×

このような方式により記録されるため、取引の一部分を無理に改ざんしようとした場合、その影響が他の部分にも生じるため、つじつまが合わなくなります。
そしてすべてのお金の動きは複式簿記により記録され、関係書類との照合が可能であるため、後から会計が正しいかどうかについての検証を行うことができます。

さらに会計は一定のルールに基づいて作成することが義務付けられています。
このルールを「会計基準」といいます。
全ての企業は(適用範囲に差異はあるが)この会計基準に基づいて会計処理を行うため、多少の解釈の差はあっても、同じ取引であれば同じ結論が導かれることになります。

このように会計は複式簿記という記録方法と会計基準というルールに基づいて作成されるため、その客観性と信頼性が確保されるのです。

しかし会計も人の手によって作成されるため、誤りが生じることもあります。さらには故意的にルールから逸脱した処理を行うことがあります。
後者を「粉飾決算」と呼びます。

これらを防ぐためには会計をチェックする制度が必要となります。
次回はこのチェック制度について考えてみたいと思います。